ユーリー・ノルシュティン

え〜、今日はチョットカエ様の話題はお休みしまして(笑)、先日テレビで観たロシアのアニメーション作家のドキュメンタリーの事を書きたいと思います。
そのアニメーション作家はユーリー・ノルシュティン。
とても有名な作家さんですよね。ぼくも彼の作品が大好きで、特に、ハリネズミのアニメにはその霧の表現等にドギモを抜かれた記憶があります。
彼は、未完の大作、「外套」という作品(コレがまたスゴイ!!)を現在も作り続けているのですが、番組であつかっていたのは、主に、日本で開催された、「ノルシュティンアニメ大賞」(だったかな?)の審査の様子でした。
ご存知の通り、日本ではPCの普及で、国民総クリエイター時代(チョット古いかな・・)なんて呼ばれて、誰でも簡単にアニメーションなんかを作れるようになったワケですが、それにより、作品の質の向上が果たして為されたのか?という事を問われるような内容でした。
結果は、賞に値する作品はナイ!!という、非常にキビシイものでした。
その事をノルシュテン氏は非常に嘆き、最後に、作品を応募した作家を集め、ディスカッションをするのですが、その中での氏の言葉がとても印象に残りました。
「アナタ達の作品には現実がない。全てアタマの中で考えられた絵空事であり、そこから、強烈な印象として残る現実感がない。もっと、自分の周りの現実をよく観て欲しい」
まさに、アニメーションのみならず、現在の日本のクリエイション、果ては創作に全く関係のない、今を生きる日本人全体の問題をズバリ言われたような気がしてなりません。
思えば、機動戦士ガンダムの原作者である富野由悠季氏も、常に、「アニメなんか観るな!現実を観ろ!」という事を言っている事と共通するような気がします。