悲劇の月極方丈庭園


土曜日恒例、京の足下を人知れず彩る「路傍の苔庭」を
紹介して参ります、「路傍の名庭」。


本日、第14回目です!!


さてさて、ここ最近の日照り続きにより、
路傍の苔達が壊滅的な被害を受けているというのは、
もう何度も言っていますので、皆さんも、
「路傍の苔庭というのは、気象の影響をモロに受ける
 か弱き存在なのだな」という事に、
薄々気付いていらっしゃるのではないかと思います。


確かに、こうした気候条件によって、残念ながら
再起不能に陥った物件も多数ございます。


しかしながら、気候条件以外にも、「経済状況」もが、
路傍の苔庭をおびやかす存在であるという事も
付け加えておかなくてはならないでしょう。


本日は、そういった、個人のオサイフ具合や、近年の景気の上向きにより
姿を消してしまった、悲劇の月極方丈庭園をご紹介致します。


その月極方丈庭園というのは、「路傍の庭園」第一号となる、
記念すべき物件でした。

この縁石組(ふちいわぐみ)の発見、縁石を石組見立て、
路傍の庭園としたこの物件が、全ての始まりでした。

力強く伸びた「伏龍苔」(当然、発見当時はそのネーミングはありませんでした)

白線に添うように生え揃った苔。
今で言う「目地苔」にカテゴライズされるべきでしょうか?

とにかく、個々の苔の造形、色つや、全てが衝撃的でした。


当初は、このように、ケイタイのカメラで記録する程度でしたが、
それがやがて雑誌「京都に住まえば/夏号」への掲載が決まります。


そこで、改めて、キチンとしたカタチでカメラに納めるべく、
彼の地を訪れると、そこには、変わり果てた月極方丈が・・・。


そう、ここ最近の景気の上向きによる住宅建設ブームにより、
住宅の建設用地として、更地にされてしまっていたのです。


こういってはナンですが、苔むす程の駐車場ですから、
まあ、土地所有者としては、あまりオイシクない土地ですよね?(苦笑)


という事から、このように更地にされてしまった月極方丈庭園というのは、
相当数にのぼります。


こればっかりはですね、何とも言えない。


何せ、結局の所、コッチが勝手に楽しんでいるだけのモノですから(苦笑)


という事で、この一件以来、月極方丈庭園に関しては、
発見し次第、なるべく早くちゃんとしたカタチで写真に納めて
おく事を心掛けているのでした。


皆さんも、月極方丈庭園を発見したら、即座に
写真に記録しておいて下さいね(笑)


しかも「名庭」であればある程、更地になる確率が高い(爆)
という事は、心に留めておいて下さい!


という事で、本日はここまで!!


また来週をお楽しみに!!


にしても、この物件を公に知らせる事が出来なかった事は、本当に悔やまれてなりません・・・。当ブログは、モンド雑貨Web shop KANIBASE.COM店長のお気楽日記です♪