モンド雑貨研究所 1-3「モンド雑貨的 魅惑のスノウ・ドーム」

さて、数回に渡ったお送り致しました、モンド雑貨研究所「モンド雑貨的 魅惑のスノウ・ドーム」。今回が最終回です。
前回は、スノウ・グローブと比較しつつ、スノウ・ドームのモンドな魅力を紹介しました。
今回も、前回に引き続きいき、スノウ・グローブと比較しつつ、さらに重箱のスミをつつくような(笑)ディープな視点で、スノウ・ドームのモンドな魅力を掘り下げて行きたいと思います。

  • モンドポイント その③ フィギュアがモンド

まず、例によってトラディショナーとしての威厳を見せてもらいましょう(笑)スノウ・グローブ。
スノウ・グローブにおけるフィギュアは、球状のガラスを容器に採用している事から、必然的に、全ての方向からの視点に堪えうる立体造形物でなくてはなりません。その為、一点一点、細部まで丁寧に作りこまれています。その造形の緻密さは、あまりにもゴシックで、ちょっと引いてしまわなくもありません(笑)
まさにゴシック(笑)こうなるともはやスノウ・ドームが初めて世に出た時のような「チープな魅力」という事とはほど遠いですね
対して、合理主義の生んだ素晴らしきモンドなアヴァンギャルダー、スノウ・ドームですが、ドームの背面を塗りつぶしてしまう為、完全なスタチューを作る必要がありません。表にのみモールドがあれば良いワケなので、工業加工品としてはこれほど楽な事はありません。あとはガッチャンガッチャン機械でプレスするのみです。
こうして出来たプラスティックの形成品は、型から外す時にピンで押し出す為、丸いピンの跡がつきます。こういった押し出しピンの跡は、通常、表面の彫刻に影響が出ないよう、目立たない裏面に付くよう工夫されているモノなのですが、スノウ・ドームのフィギュアには、堂々と表面に穴が・・・(笑)(しかも、モチーフは女の子なのに・・・)大胆不敵です!
  
通常は表面のレリーフを壊さない様、裏面にこういった部分な行く様にするものなのですが、思いっきり表に穴が・・・(笑)しかし、こういった点を「雑だ」と切り捨ててしまうのではなく、楽しんでしまう姿勢こそが「粋」であり、「モンド」と言えるのではないでしょうか?

また、造形のセンスにも目を見張るモノがあり、トウモロコシのようなモールドの山等、その独自性に驚かされます。リアリズムなど全く無意味だという事に気付かされます。素晴らしい!
こういった工業製品でありながら、人間味のある「ユルさ」を発見出来る所に、スノウ・ドームの愛らしさがあると言っても過言ではないでしょう。
山を表現する彫刻としてはあまりに斬新!

  • モンドポイント その④ モンドポイントではありませんが・・・

さて、スノウ・グローブにはなくて、スノウ・ドームだからこそ成し得た、画期的なポイントがあります。それは、「奥行きの表現」を可能にしたという点です。
スノウ・グローブでは、その形状上、モチーフを一点、シンボリックに配置するという構成しかとる事が出来なかったのですが、スノウ・ドームでは、背面を塗りつぶしてしまい、視点を正面からの一点のみに限定した結果、演劇の舞台美術を思わせるような、奥行きのある、豊かな空間を生み出す事が可能となりました。しかも、しかも、この塗りつぶした背景の色を、曇天や、抜ける様な青空に見立てる事で、空気感までも表現出来る点も見逃せません。

トラディショナルなエッフェル塔をモチーフとしたパリの風景も、ホラ、こんなにドラマティックです。(しかしながら、実際にこれらの建物がこんな風な位置関係で見える場所など存在しないという所が、モンドであり、愛してやまないポイントです(笑))


さて、モンドかつマクロな視点に基づく「モンド雑貨的 魅惑の スノウ・ドーム」、如何だったでしょう?
このコラムをお読みになって、少しでもみなさんがスノウ・ドームを愛おしい存在に感じて頂ければ、また、モンド的視点で考える事の楽しさを感じて頂けましたら幸いです^^
それでは、また、次回の「モンド雑貨研究所」、お楽しみに〜っ!!

※当コラムを執筆するにあたりましては、snowdome loveさんのhistory of snowdomeのページを大変参考にさせて頂きました。ありがとう御座いました。


KANIBASE.COMでは、このような「モンド的視点」に基づいたスノウ・ドームを、多数、ご提供していく予定です!!当ブログは、モンド雑貨Web shop KANIBASE.COMのオープンまでの道のりの記録です。