村上隆/芸術起業論


よもや、自分がこの本を手に取り、軽く立ち読みしただけで、
大きな衝撃と共感のもと、即購入し、感銘を受ける事になろうとは。


というのも、著者である村上隆氏の、スタッフに対して人を人とも思わぬような物言いや、
あえて人を不愉快にさせるかのような立ち居振る舞い、
その他諸々のイメージに至るまで、個人的に好きではない、認めたくない存在でしたので。


しかしながら、そういった感情は、あまりに無根拠な嫉妬の表れであり、
また、それをうながすような氏の行動の根拠も、
ぼく自身が感じていたのと同種の危機感(おこがましくもそう言わせていただきますが)
を感じての言動であったという事が、この本を読むに至り、理解出来ました。


私事で申し訳ないのですが、芸大を卒業して以来、氏の言う所の
「エセ左翼で現実離れした芸術論を語り合うだけで死んで行ける腐った楽園」
にどっぷりつかり、社会との接点を持たず(というより、自ら断絶していたのかも知れません)
モラトリアムな時間をただ浪費してしまった20代。


どこかおかしいと感じながらも、その快楽から抜け出そうと思う迄の
危機感を持つまでには、すでにこの国のごく一般的な社会に受け入れてはもらえない
年齢に迄達してしまっていました。


この本には、そういった多くの人達への実に耳の痛い、それこそ、
見なかった事にしたくなる程の痛烈な批判が綴られています。


それと同時に、そこから脱却し、いかにして社会と接点を持って行くのかが、
この本には書いてあります。


それこそ、芸術ではなく、「雑貨店」という手段によってではありますが、
社会的な居場所をどうにか作りあげようとしている現在のぼくには、
この本に書かれている全ては、実にリアルな実感と共感を呼び起こす事柄ばかりでした。


今、成すべき事は、まさにこの本に書かれている事です!!

芸術起業論

芸術起業論


痛快な語り口もなかなか気持ちが良かったです。でもコレ、ホント見なかった事にしちゃいたいヒトってスゴク多い気がします(苦笑)芸術を抜きにしても、モノを売っていくヒト必携の書です!当ブログは、モンド雑貨Web shop KANIBASE.COM店長の、お気楽日記です♪