美しき「目地モノ」の世界
土曜日恒例、京の足下を人知れず彩る「路傍の苔庭」を
紹介して参ります、「路傍の名庭」。
本日、第13回目です!!
いやいやいや、ここ最近の日照りで、路傍の苔達は壊滅的な
被害を受けてたんですが、ようやくここ最近、
雨の恵みを受けられるようになり、ホッとしているワケなんですが(笑)
さて、今回紹介する「路傍の苔庭」はですね、月極方丈庭園と並び、
最もポピュラーな存在である、「目地モノ」をご紹介!
ではまず、「目地モノ」がどんなモノなのか、見て頂きましょう^^
ハイ、このようにですね、歩道の敷石(?)の目地のスキマから
生えてくる苔の事を指して「目地モノ」または「目地苔(めじのこけ)」
と呼んでいるのですが、何せ、キレイに整形されたブロック
(以後、庭園用語を用いて「切り石」と呼びます)
のスキマから出るものですから、非常に整然として、美しいですね。
しかも、目地から大きく逸脱して生える例が多々見られ、
幾何学的ながらも、有機的な形状は、路傍の苔庭ならではの
独自の美を形成しております。
さてさて、こういった「切り石」を利用した例、
実際の庭園でも見た事ありません!?
そう、作庭家、重森三玲の処女作としてあまりに有名な
東福寺方丈庭園北庭「市松苔」です!
最近の庭園ブームにおいて最も重要且つ、露出度も高い
東福寺方丈庭園の市松苔、今でこそ「モダン」、
もしくは「アヴァンギャルド」として評されているものの、
当時は相当物議をかもしたシロモノで、事実、最近まで
庭園を特集した雑誌等を見ると、東福寺は扱うものの、この市松苔の
写真が載る事は、あんまりなかったようです。
ちなみにコレ、お寺の門から続く通路の敷石の再利用だそうです!
実際の庭園において「異端」とされる表現が、
路傍の名庭においては「ポピュラー」な表現(?)として
存在しているというのも、なんだか興味深いですね(笑)
コチラは「目地モノ」と石組によって、より庭園的な景観を
形成している例。
「腰掛け石組み(こしかけいわぐみ)」と呼んでおります(笑)
ね、歩道の腰掛けを中心に目地の苔が生い茂っているのです。
というワケで、今回は「目地モノ」についてお話しました!
道すがら、チョット足下に目をやれば、すぐに見つけられるモノですので、
皆さんも、是非探してみて下さい^^
では、また来週、お楽しみに!
最近の日照りで、多くの「目地モノが」雑草だらけになってしましました・・・。もっと恵みの雨が降って欲しいモノです。当ブログは、モンド雑貨Web shop KANIBASE.COM店長のお気楽日記です♪